2025年9月16日火曜日

『歷代名醫蒙求』074-1

 徐療沉滯 綽治偏枯  徐は沉滯を療し 綽は偏枯を治す (徐嗣伯・公孫綽)

    南史徐嗣伯字德沼善清言精於醫術曾

    有一嫗患滯冷積年差嗣伯爲之𧧂疾曰  「差」の上に「未」字の書き込みあり

    此屍注也當須死人枕煮服之可愈於是

    就古塚中得一枕枕已半邊腐缺服之即  

    差後秣陵人張景腹脹靣黄衆醫不療以 

    問嗣伯嗣伯曰此石蚘耳當以死人枕煑 

    服之依語煑枕以服之得大利蚘蟲頭堅 

    如石者五六升許病即差後沉僧翼眼痛

    又多見鬼物以問之嗣伯曰邪氣入肝可

    覓死人枕煑服之竟可埋枕於故處如其 

    言又愈王晏知而問之曰三病不同而皆

    用死人枕療之俱差何也荅曰屍注者鬼

    氣也伏而未起故令人沉滯得死人枕促 

    之魂氣飛越不𠋩附躰故屍注可差石蚘

    者醫療既僻蚘蟲轉堅丗閒藥不能除所 

    以須鬼物馳之然後可散也夫邪氣入肝

    故使眼痛而見魍魎應須邪物以鉤其氣

    因而去之所以令埋於故處也晏深歎其

    神妙

    

    【訓み下し】074-1

    『南史』:徐嗣伯,字は德沼,清言を善くし,醫術に精(くわ)し。曾て一嫗有り,滯れる冷えを患い,積年差(い)〔えず〕。嗣伯 之が爲に疾(やまい)を診て曰わく,「此れ屍注なり。當に死人の枕を須(もち)いて煮,之を服せば愈ゆ可し」。是こに於いて古き塚に就(おもむ)いて中より一つの枕を得たり。枕 已に半邊腐り缺く。之を服して即ち差ゆ。後に秣陵の人 張景,腹脹れ面黃ばむ。衆醫療せず,以て嗣伯に問う。嗣伯曰わく,「此れ石蚘のみ。當に死人の枕を以て煮,之を服すべし」。語に依って枕を煮,以て之を服せば,大いに蚘蟲を利するを得たり。頭堅きこと石の如き者五六升許(ばか)りなり。病即ち差ゆ。後に沉僧翼 眼痛み,又た多く鬼物を見る。以て之を問う。嗣伯曰わく,「邪氣 肝に入る,死人の枕を覓(もと)めて煮て之を服す可し。竟(お)われば枕を故(もと)の處に埋む可し」。其の言の如くすれば,又た愈えり。王晏 知って之を問いて曰わく,「三病 同じからず,而も皆な死人の枕を用いて之を療し,俱に差ゆるは何ぞや」。答えて曰わく,「屍注なる者は鬼氣なり。伏して未だ起(た)たず。故に人を沉滯せしむ。死人の枕を得,之に魂氣 飛越するを促せば,復た體に附かず。故に屍注 差ゆ可し。石蚘なる者は,醫療 既に僻(かたよ)り,蚘蟲 轉(うた)た堅く/轉じて堅まり,世間の藥も除くこと能わず,所(ゆ)以(え)に鬼物を須(もち)いて之を馳せ,然る後に散ず可きなり。夫れ邪氣 肝に入る,故に眼をして痛んで魍魎を見しむ。應(まさ)に邪物を須(もち)いて以て其の氣を鉤して,因って之を去るべし。所(ゆ)以(え)に故(もと)の處に埋めしむるなり」。晏 深く其の神妙を歎ず。

    

  【注釋】074-1

 ○南史:書名。唐李延壽撰,八十卷。二十四史之一。為南北朝時南朝之史。 ○徐嗣伯:南北朝時南齊醫家。字叔紹。祖籍東莞姑幕(今山東諸城),寄籍丹陽(今江蘇南京)。為徐叔響之子。精醫道,擅辨證。曾撰有『徐嗣伯落年方』三卷、『藥方』五卷、『雜病論』一卷,均佚。 ○字德沼:『南史』作「字叔紹」。 ○善:喜好、喜愛。擅長。 ○清言:高雅的言論。魏晉時代對玄理的研討與談論。『晉書』卷五十・郭象傳:「少有才理,好老莊,能清言。」 ○精:嫻熟、擅長。如:「精通」。 ○醫術:醫療技術。治病的技術。 ○嫗:婦女的通稱。 ○積年:多年;累年。 ○差:病癒。通「瘥」。『南史』『太平御覽』『醫說』,みな「不差」に作る。 ○𧧂:「診」の異体字。察看、徵驗。如:「診病」。 ○疾:病。痛苦。 ○屍注:病名。九注之一。見『諸病源候論』屍注候。主要表現為寒熱淋瀝,沉沉默默,腹痛脹滿,喘息不得,氣息上衝心胸,旁攻兩脅,攣引腰脊,舉身沉重,精神雜錯,恆覺惛謬,每逢節氣改變,輒致大惡,積月累年,漸就頓滯,以至於死。死後復易旁人,乃至滅門。以其屍病注易旁人,故名屍注。尸注。 ○須:需要、需求。用。 ○死人枕:明・吳崑『醫方考』:五屍傳疰門第十九・死人枕:「即死人腦後骨也。得半朽者良。用畢置之原處。……鬼疰,是病人為邪鬼所憑而致疾也……故死人枕,鬼物也,以此物煎湯飲之,則鬼邪觸類而出,大瀉數行而愈者勢也……」。このあとに徐嗣伯の話が引用されている。 ○服:吃、進食。《禮記.曲禮下》:「醫不三世,不服其藥。」。 ○愈:病情好轉。 ○於是:表承上啟下的連詞。因此。 ○就:趨近、靠近。 ○塚:墳墓。同「冢」。 ○半邊:事物的一半或一部分。一半。旁邊, 一邊。 ○腐:爛的、壞的。朽爛、臭敗。 ○缺:殘破的。 ○秣陵:秣陵縣,秦始皇三十七年(公元前210年)置,屬會稽郡,治所位於今南京市江寧區秣陵街道。 ○腹脹:一臨床常見症状,表現為腹部不適,有膨脹感,是腸蠕動減慢,胃腸脹氣所致。導致腹脹的病因較多,包括最簡單的急性胃腸炎所致腹脹,到術後腹脹、癌性腹脹等,由於導致腹脹的病因不同,故處理手段也不甚相同。臨床上應注意鑒別各種不同病因所致腹脹,針對病因治療,方有可能緩解病情。預後也是根據病因而異。 ○靣:「面」の異体字。 ○黄:「黃」の異体字。 ○蚘:「蛔」の異体字。動物名。圓形動物門蛔蟲科。形似蚯蚓而無環節,色白或米黃,寄居於人或家畜的腸內,能引起腸痛、吐瀉等毛病。俗稱為「蛔蟲」。 ○煑:「煮」の異体字。 ○利:通「痢」[dysentery]。 ○許:表示約略估計的數量。如:「些許」、「少許」。 ○鬼物:鬼。鬼怪。 ○邪氣:病因學名詞。即病邪,泛指各種治病因素。 ○覓:尋求、尋找。 ○故處:舊地;原處。 ○王晏:王晏(?~497年),字士彥,號休默,瑯邪臨沂(今山東臨沂市)人。南朝齊大臣、文學家、書法家,通直常侍王弘之之孫,秘書監王普曜之子。 ○荅:「答」の異体字。 ○𠋩:「復」の異体字。 ○躰:「體」の異体字。 ○僻:歪;斜 [askew;inclined]。奇異而不常見的。冷僻 [rare;uncommon]。 ○蚘蟲:蛔蟲是無脊椎動物,線形動物門,線蟲綱,蛔目,蛔科。是人體腸道內最大的寄生線蟲,成體略帶粉紅色或微黃色,體表有橫紋,雄蟲尾部常捲曲。 ○轉:變換、改變。逐漸、更加。反而、反倒。 ○丗閒:人世間、世界上。/丗:「世」の異体字。/閒:「間」の異体字。 ○馳:追逐。 ○然後:承接連詞。表示某事接在前句所述事情之後。 ○魍魎:山川中的木石精靈。鬼怪。 ○須:用。等待。 ○邪物:舊指能造成災禍的妖邪之物。 ○鉤:用鉤子掛住拉起。さぐる。かける。 ○歎:讚美。 ○神妙:神奇巧妙。

    

     ○『南史』卷三十二 列傳第二十二/張邵/徐文伯 文伯從弟嗣伯:嗣伯字叔紹,亦有孝行,善清言……常有嫗人患滯冷,積年不差。 嗣伯 為診之曰:「此尸注也,當取死人枕煑服之乃愈。」於是往古冢中取枕,枕已一邊腐缺,服之即差。後秣陵人張景,年十五,腹脹面黃,眾醫不能療,以問嗣伯。嗣伯曰:「此石蚘耳,極難療。當取死人枕煑之。」依語煑枕,以湯投之,得大利,并蚘蟲頭堅如石,五升,病即差。後沈僧翼患眼痛,又多見鬼物,以問嗣伯。 嗣伯曰:「邪氣入肝,可覓死人枕煑服之。竟,可埋枕於故處。」如其言又愈。王晏問之曰:「三病不同,而皆用死人枕而俱差,何也?」答曰:「尸注者,鬼氣伏而未起,故令人沉滯。得死人枕投之,魂氣飛越,不得復附體,故尸注可差。石蚘者久蚘也,醫療既僻,蚘蟲轉堅,世間藥不能遣,所以須鬼物驅之然後可散,故令煑死人枕也。夫邪氣入肝,故使眼痛而見魍魎,應須而邪物以鈎之,故用死人枕也。氣因枕去,故令埋於冢間也。……」

     ○『太平御覽』方術部四・醫三:『齊書』曰:徐嗣伯為臨川王映所重。……又,嘗有傴人患滯冷,積年不差。嗣伯為候之,曰:「此尸注也。當得死人枕煮服之乃愈。」於是往古冢中取枕,枕已一邊腐缺,服之即差。後秣陵人張景,年十五,腹脹面黃,眾醫不能療。以問,嗣伯曰:「此石蚘耳,極難療,當得死人枕煮之。」依語煮枕,以湯投之,得大痢并蚘蟲頭堅如石者五升,病即差。後沈僧翼患眼痛,又多見鬼物,以問嗣伯,嗣伯曰:「邪氣入肝,可覓死人枕煮服之。服竟,可埋枕於故處。」如其言,又愈。王晏問之曰:「三病不同,而皆用死人枕,而俱差,何也?」答曰:「尸注者,鬼氣伏而未起,故令人沉滯。得死人枕促之,魂氣飛越,不得復附體,故尸注可差。石蚘者,久蚘也。醫療既僻,蚘蟲轉堅,世間藥不能遣,所以須鬼物驅之,然後可散,故令煮死人枕也。夫邪氣入肝,故使眼痛而見魍魎,應須邪物以鉤之,故用死人枕也。氣因枕去,故復埋於冢間也。」

     ○『醫說』卷七・奇疾・死枕愈病:「『齊書』曰:徐嗣伯,常有人傴患滯冷,積年不差。嗣伯為診之。曰:尸注也。當得死人枕煑,服之乃愈。於是往古塚中取枕。枕已一邊腐闕,服之即差。後秣陵人張景,年十五,腹脹面〔一作「而」〕黃,衆醫不能療,以問嗣伯。此石蚘爾,極難療。當得死人枕煑服之。依語煑枕,以湯投之,得大利幷蚘蟲頭堅如石者五升,病即差。後沈僧翼患眼痛,又多見鬼物,以問嗣伯。嗣伯曰:邪氣入肝,可覓死人枕煑服之。服竟,可埋枕於故處。如其言又愈。王晏問之,曰:三病不同,而皆用死人枕,而俱差,何也?答曰:尸注者,鬼氣伏而未起,故令人沉滯。得死人枕,促之魂氣飛越,不得復附體,故尸注可差。石蚘者,久蚘也。醫療既癖,蚘蟲轉堅,世間藥不能遣,所以須鬼物驅之,然後可散。故令煑死人枕也。夫邪氣入肝,故使眼痛而見魍魎,應須邪物以鉤之,故用死人枕也。氣因枕去,故復埋於冢間也(『太平御覽』)」。

    https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00001048?page=272

     ○『太平廣記』卷第二百一十八 醫一・徐嗣伯:徐嗣伯字德紹,善清言,精於醫術。曾有一嫗,患滯瘀,積年不差。嗣伯為之診疾曰:“此屍注也,當須死人枕煮服之可愈。”於是就古冢中得一枕,枕以半邊腐缺,服之即差。後秣陵人張景年十五,腹脹面黃,眾醫不療。以問嗣伯,嗣伯曰:“此石蛔耳,當以死人枕煮服之。”依語,煮枕以服之,得大利,出蛔蟲,頭堅如石者五六升許,病即差。後沈僧翼眼痛,又多見鬼物。以問之,嗣伯曰:“邪氣入肝,可覓死人枕煮服之。竟,可埋枕於故處。”如其言又愈。王晏知而問之曰:“三病不同,而皆用死人枕療之,俱差何也?”答曰:“屍注者,鬼氣也。伏而未起,故令人沉滯。得死人枕促之,魂氣飛越,不復附體,故屍注可差。石蛔者,醫療既僻。蛔蟲轉堅,世間藥不能除,所以須鬼物驅之,然後可散也。夫邪氣入肝,故使眼痛而見魍魎。應須邪物以釣其氣,因而去之,所以令埋於故處也。”晏深嘆其神妙。(出『南史』。)

     ○『太平廣記』【譯文】徐嗣伯字德紹。他善清談,精通醫術。曾有一個老婦人患有滯淤病,多年不愈。徐嗣伯給她診視,說:“這是屍注,應該用死人的枕頭煮後服用,就可以治好你的病。”於是老夫人從古墓中找到一隻已經半邊腐爛、殘缺不全的死人枕頭,煮後服用,病就好了。後來,有個秣陵人叫張景,十五歲,腹脹,面目焦黃,許多醫生都治不好他。他去找徐嗣伯,徐嗣伯說:“這是石蛔,應該用死人枕煮後服用。”張景按嗣伯的話去做,煮死人枕服用後大瀉,便出了蛔蟲。這些蛔蟲堅硬如石頭,約有五六升。打下蛔蟲後,張景的病就好了。後來還有一位叫沈翼的和尚眼睛疼痛,並常常看見鬼。這個和尚來找徐嗣伯診治,徐嗣伯說:“這是邪氣進入肝臟,可以找死人枕頭煮後服用,用完後再把枕頭埋在原處。”和尚按徐嗣伯的話做了,他的病也好了。王晏知道了徐嗣伯用屍枕治病的事後,來問徐嗣伯,說:“三個人的病不一樣,卻都用死人枕頭治療,而且全都治好了,是什麼原因?”徐嗣回答說:“屍注,是鬼氣。它附在人身上不離開,所以使人沉滯。必須用死人枕讓它離去。鬼氣飛走不再附在人的身上,所以屍注病就好了。得石蛔病的人,已是不常見的。蛔蟲變成石頭,人世間的藥打不下來,所以須用鬼物來驅逐它,然後就可以打下它了。因為邪氣進入肝臟,所以眼睛就痛,並且看見鬼魅。必須用邪物把邪氣引出來,因此就除掉它了。所以讓他把死人枕埋在原處。”王晏深深讚歎徐嗣伯的神妙。(出自『南史』。)

    

識典古籍*******************************************************

南史:徐嗣伯字德沼,善清言,精於醫術。曾有一嫗患滯冷,積年差。嗣伯爲之診疾,曰:此屍注也,當須死人枕煮服之,可愈。

    【AI譯文】

『南史』记载:徐嗣伯,字德沼,善于清谈,精通医术。曾经有一个老妇人患了滞冷病,多年也没有治好。徐嗣伯为她诊断病情,说:“这是尸注病,应当用死人的枕头煮水服用,才可以痊愈。”

    【AI 1】『南史』によると、徐嗣伯(字は徳沼)は弁舌に長け、医術にも精通していた。ある老婦人が「滞冷病」を患い、長年治らずにいた。徐嗣伯は診察し、「これは『尸注病』であり、死者の枕を煎じて飲めば治るだろう」と言った。

    【AI 2】『南史』によると、徐嗣伯(じょ・しはく)、字は徳沼(とくしょう)は、清談(哲学的な議論)に長け、医学にも精通していた。あるとき、ある老婆が長年「滞冷病(たいれいびょう)」を患っていたが、どんな治療でも良くならなかった。徐嗣伯が診察するとこう言った:「これは“尸注(しちゅう)”という病で、死人の枕で煮た湯を服用すれば治る。」

於是就古塚中得一枕,枕巳半邊腐缺,服之即差。

    【AI譯文】

于是就在古墓中得到一个枕头,这个枕头有半边已经腐烂了,他服用之后病就好了。

    【AI 1】彼は古い墓から枕を手に入れたが、すでに片側が腐っていた。それを煎じて飲むと、病はすぐに治った。

    【AI 2】そこで古い墓から枕を見つけてきたところ、枕の半分はすでに腐っていた。それを煮て服用させると、病は治った。

後秣陵人張景腹脹面黃,衆醫不療,以問嗣伯,嗣伯曰:此石蚘耳,當以死人枕煮服之。

    【AI譯文】

后来秣陵人张景腹胀脸色发黄,许多医生都无法医治,(他)就来请教徐嗣伯,徐嗣伯说:“这是腹内有蛔虫,应当用死人枕煮水服用。”

    【AI 1】また、秣陵の張景は腹が膨張し、顔色が黄色くなり、多くの医師が治療できずにいた。彼が徐嗣伯に助けを求めると、「これは腹内に蛔虫がいるためで、死者の枕を煎じて飲むべきだ」と助言した。

    【AI 2】その後、秣陵(まつりょう)の人、張景(ちょうけい)が腹が張って顔色が黄色くなり、多くの医者が治療を試みたが効果がなかった。彼が徐嗣伯に相談すると、嗣伯は言った:「これは腹の中に蛔虫がいるのだ。死人の枕を煮て飲めばよい。」

依語煮枕以服之,得大利。

    【AI譯文】

按照(他的)话煮了枕头来服用,病就好了。

    【AI 1】彼の言葉に従い、枕を煎じて服用すると、病は治った。

    【AI 2】そのとおりに枕を煮て飲むと、

蚘蟲頭堅如石者五六升許,病即差。

    【AI譯文】

吐出像石头一样坚硬的蛔虫头,大约五六升那么多,病就好了。

    【AI 1】石のように硬い蛔虫の頭を吐き出し、その量は約五、六升にも及んだ。そして病は完全に回復した。

    【AI 2】石のように硬い蛔虫の頭を吐き出し、その量は五、六升(しょう)にもなった。すると病は治った。

後沈僧翼眼痛,又多見鬼物,以問之,嗣伯曰:邪氣入肝,可覓死人枕煮服之,竟,可埋枕於故處。

    【AI譯文】

后来沈僧翼眼睛疼痛,又常常看到鬼之类的东西,他拿这件事去问嗣伯,嗣伯说:‘邪气侵入了肝脏,可以找一个死人的枕头煮了服用,完了之后,可以把枕头埋在原来的地方。’

    【AI 1】さらに、沈僧翼は目の痛みに苦しみ、頻繁に幽霊のようなものを見ていた。この症状について徐嗣伯に相談すると、「邪気が肝に侵入している。死者の枕を煎じて飲み、その後枕を元の場所に埋めるとよい」と答えた。

    【AI 2】また、沈僧翼(しん・そうよく)という人物が目の痛みと、たびたび幽霊のようなものを見るという症状に悩まされ、嗣伯に相談した。嗣伯は言った:「これは邪気が肝に侵入したものだ。死人の枕を煮て服用し、その後、枕を元の場所に埋め戻せばよい。」

如其言又愈。

    【AI譯文】

按照他的话做,病又好了。

    【AI 1】沈僧翼はその助言に従い、病は治癒した。

    【AI 2】言われたとおりにすると、やはり病は治った。

王晏知而問之曰:三病不同,而皆用死人枕療之俱差,何也?

    【AI譯文】

王晏知道后问他:“这三种病各不相同,却都用死人枕头来治疗,而且都痊愈了,这是为什么呢?”

    【AI 1】これを知った王晏は、「三つの病はそれぞれ異なるが、すべて死者の枕によって治癒している。これはなぜか?」と質問した。

    【AI 2】これを聞いた王晏(おう・あん)が彼に質問した:「この三つの病はそれぞれ異なるのに、すべて死人の枕で治している。なぜなのか?」

荅曰:屍注者,鬼氣也,伏而未起,故令人沉滯,得死人枕促之,魂氣飛越,不復附躰,故屍注可差。

    【AI譯文】

回答说:“尸注这种病,是鬼气在作祟,潜伏在体内没有发作,所以使得人身体沉重呆滞,(病人)得到死人的枕头来(驱赶鬼气),(病人的)魂气就会飞散离去,不再附着在身体上,所以尸注这种病就可以痊愈。”

    【AI 1】徐嗣伯は次のように説明した。「尸注病は鬼気が原因であり、体内に潜んで発作を起こす。死者の枕を用いることで魂が飛散し、鬼気が消えるため、病が治るのだ。

    【AI 2】嗣伯は答えた:「尸注という病は鬼気(霊的な気)が人に取り憑いて発症する。体内に潜んで発作せず、人を重く鈍くさせる。死人の枕を使うことで魂気(たましいの気)を飛ばして取り除くことができる。だから治るのです。

石蚘者,醫療旣僻,蚘蟲轉堅,世閒藥不能除,所以須鬼物馳之,然後可散也。

    【AI譯文】

石蛔这种病,因为治疗方法错误,蛔虫反而变得坚硬,世上的药都不能去除,所以需要用鬼魂将其赶走,然后蛔虫才会消散。

    【AI 1】また、石蛔病は誤った治療によって蛔虫が硬化し、通常の薬では除去できないため、鬼魂の力で駆逐しなければならない。

    【AI 2】石蛔(せきかい)の病は、治療を誤ったことで蛔虫が硬くなり、通常の薬では除けなくなっている。そこで鬼気を使って追い払うのです。そうすれば蛔虫も消える。

夫邪氣入肝,故使眼痛而見魍魎,應須邪物以鉤其氣,因而去之,所以令埋於故處也。

    【AI譯文】

邪气侵入肝脏,所以导致眼睛疼痛并且看到到鬼魅,应该用邪物来钩取那邪气,从而除去它,这就是让(邪物)埋在原来(发现邪物)的地方的原因。

    【AI 1】そして、邪気が肝に侵入すると目に異常をきたし、幻影を見るようになる。邪物を使って邪気を引き寄せ、それを埋め戻すことで病を除去できるのだ。」

    【AI 2】邪気が肝に入ると、目の痛みや幻視が生じる。邪なるもの(死人の枕)で邪気を引き出し、それを元の場所に埋め戻すことで、完全に排除できるのです。」

晏深歎其神妙。

    【AI譯文】

王晏深深地赞叹他的神奇美妙。

    【AI 1】王晏は、この神秘的な治療法に深く感嘆したという。

    【AI 2】王晏は彼の神妙な診断と治療法に深く感嘆した。


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