夷堅志温州醫僧法程字无枉少瞽百端
治之不愈但晝夜誦觀丗音菩薩名號如
是十五年夢中聞菩薩呼之使前若有物
縶其足不可動菩薩歎曰汝前丗爲灸師
誤灸損人眼今生當受此報愆難以免但
吾憐汝誠心當使汝衣食豐足遂探懷
中掬珠寶滿手與之既寤醫道大行衣
鉢甚冨至七十餘猶在
【訓み下し】091-2
『夷堅志』:溫州の醫僧 法程,字は无枉,少(わか)くして瞽,百端 之を治すも愈えず。但だ晝夜 觀世音菩薩の名號を誦(とな)う。是(か)くの如くすること十五年,夢の中に菩薩の之を呼んで前(すす)ましむるを聞く。物有って其の足を縶(つな)ぐが若(ごと)くにして動く可からず。菩薩歎(なげ)いて曰わく,「汝の前世は灸師爲(た)り。誤って灸して人の眼を損(そこ)なう。今生 當(まさ)に此の報いを受け,愆(あやま)ち以て免かれ難かるべし。但だ吾れ汝の誠の心を憐む。當に汝の衣食をして豐かに足らしむべし」。遂に懷(ふところ)の中を探って珠寶を掬(すく)い,手に滿たして之に與う。既に寤(さ)む。醫道 大いに行なわれ,衣缽甚だ富み,七十餘に至っても猶お在り。
【注釋】091-2
○夷堅志:044を参照。 ○温州:漢永嘉郡。唐置温州。尋曰永嘉郡。後復曰温州。宋曰温州永嘉郡。升爲瑞安府。元置温州路。明曰温州府。清因之。民國廢。故治卽今浙江永嘉縣。 ○少:年幼的、年輕的。 ○瞽:瞎眼的人。 ○百端:各種事務、方法。多種多樣;百般。亦謂想盡或用盡一切辦法。 ○晝夜:日夜。白日和黑夜。 ○誦:大聲朗讀。讚美。通「頌」。 ○觀丗音菩薩:仏教の菩薩の一尊。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)、観自在菩薩(かんじざいぼさつ)、救世菩薩(くせぼさつ・ぐせぼさつ)など多数の別名がある。/丗:「世」の異体字。 ○名號:名稱。佛教語。又作名字、名。主要指佛、菩薩之稱號而言。此名號因可表彰諸佛菩薩之功德,及顯示眾生對諸佛菩薩之讚歎、敬仰,故又可稱為寶號、尊號、德號、嘉號等。名號可表顯諸佛菩薩之真如體性,及其廣大圓滿之功德,除此以外,名號係從諸佛菩薩而來,以名體不離故,所以諸佛之名號,即等同諸佛之法體,故諸經論中,多載有誠心稱念諸佛之名號,及思惟憶念諸佛者,可消除罪障、災難,或可往生淨土等之說。如『法華經』卷七普門品所舉,恭敬禮拜觀世音菩薩,及受持稱念其名號者,即可得福。 ○前:向前走。 ○縶:捆綁、繫絆。 ○歎:嘆息。通「嘆」。如:「悲歎」。 ○前丗:前生,前一輩子。この世に生まれ出る以前の世。さきの世。仏教では三世の一。過去世。 ○灸師:專門施行灸法的醫師。 ○損:傷害、毀壞。 ○今生:此生。現在的這一生、這一輩子。 ○報:由某種前因而得的結果。 ○愆:過失、罪過。/『夷堅志』『醫說』ともになし。 ○免:避開、脫逃。去除、省去。 ○誠心:真誠懇切的心意。真心誠意。 ○衣食:衣服和食物。泛指基本生活資料。泛指生活所需。 ○豐足:猶言豐裕富足。富足、充足。 ○懷:胸前、胸部。 ○掬:用兩手捧取。 ○珠寶:珍珠寶石。泛稱珍珠玉石一類的寶物。 ○滿手:充滿整個手。 ○既:已經。不久。 ○寤:睡醒。 ○醫道:醫術。治病的本領。 ○大行:廣為推行;普遍流行。 ○衣鉢:佛教僧尼的袈裟與飯盂。借指僧家的衣食,資財。/鉢:「缽」の異体字。 ○冨:「富」の異体字。財物充裕、充足。 ○猶在:還存在。
○『醫說』卷十・醫功報應・醫僧瞽報:溫州醫僧法程,字無枉,少瞽,百端治之不愈。但晝夜誦觀世音菩薩名號。如是十五年,夢中聞菩薩呼之使前。若有物縶其足,不可動。菩薩歎曰:「汝前世爲灸師,誤灸損人眼。今生當授〔一本作「受」〕此報,難以免。但吾憐汝誠心,當使汝衣食豐足」。遂探懷中,掬寶珠滿手與之。既寤,醫道大行,衣缽甚富,至七十〔一本有「餘」〕猶在(申志〔一本作「出甲志」〕)。
○『夷堅志』補・卷第十八・醫僧瞽報:溫州醫僧法程,字無枉,少瞽,百端治之不愈,但晝夜誦觀世音菩薩名字,如是十五年,夢菩薩呼之使前,若有物縶其足,不可動。告曰:「汝前生為灸師,誤灸損人目,今生當受此報難免。吾憐汝誠心,當使汝衣食豐足。」探懷中,掬珠寶滿手與之。既寤,醫道大行,衣鉢甚富,壽七十餘。
★盧秀滿「宋代之醫者群像及醫德觀探討——以文言小說為考察中心」
https://www.ch.ntnu.edu.tw/BOC/downloadfile.php?issue_id=70&paper_id=632 94頁
注35:見宋‧洪邁『夷堅志』補,頁 1715。
識典古籍*******************************************************
夷堅志:溫州醫僧法程,字无枉,少瞽,百端治之不愈,但晝夜誦觀世音菩薩名號,如是十五年。
【AI譯文】
『夷坚志』中说:温州医僧法程,字无枉,年少失明,用尽各种办法治疗也不见好,于是他就昼夜念诵观世音菩萨的名号,这样过了十五年。
【AI 1】『夷堅志』によると、温州の医僧・法程(字は無枉)は幼少期に失明し、あらゆる治療法を試みたが効果がなかった。そこで彼は昼夜を問わず観世音菩薩の名を唱え続け、十五年が過ぎた。
【AI 2】『夷坚志』に記されている:温州の医僧・法程(字は無枉)は、若い頃に失明し、あらゆる方法で治療を試みたが効果がなかった。そこで彼は昼夜を問わず観世音菩薩の名号を念じ続け、15年が経過した。
夢中聞菩薩呼之使前,若有物縶其足,不可動。
【AI譯文】
他在梦中听到菩萨叫他过去,但是好像有东西拉住了他的脚,无法动弹。
【AI 1】ある夜、彼は夢の中で菩薩の声を聞いた。しかし何かに足を引き止められ、動くことができなかった。
【AI 2】ある日、彼は夢の中で菩薩に呼ばれるが、足元に何かが引き止めるような感覚があり、動けなかった。
菩薩歎曰:汝前世爲灸師,誤灸損人眼,今生當受此報,愆難以免。
【AI譯文】
菩萨叹息说:“你前世是一个艾灸师,因为艾灸失误弄瞎了病人的眼睛,今生应当遭受这种报应,罪过难以免除。”
【AI 1】菩薩は嘆息し、こう語った。「お前は前世で艾灸師であった。しかし、灸の施術を誤り、病人の目を見えなくしてしまったため、その報いを受けている。罪から逃れることはできない」と。
【AI 2】菩薩はため息をつきながら言った。「あなたの前世は鍼灸師で、灸の施術を誤り患者の目を失明させてしまった。そのため、今生でこのような報いを受けるべきで、罪を免れることはできない。
但吾憐汝誠心,當使汝衣食豐足。
【AI譯文】
只是我怜惜你一片诚心,应当让你衣食丰足。
【AI 1】しかし菩薩は彼の誠心を哀れみ、「お前には衣食の安定を与えよう」と言い、
【AI 2】しかし、私はあなたの誠実な心を憐れみ、あなたに衣食を豊かにするべきだ。」
遂探懷中掬珠寶,滿手與之。
【AI譯文】
于是伸手到怀里掏出珠宝,满满一把递给他。
【AI 1】懐から宝石を掴み、彼に手渡した。
【AI 2】そう言うと、菩薩は胸から宝石を取り出し、満杯にして彼に渡した。
旣寤,醫道大行,衣鉢甚富,至七十餘猶在。
【AI譯文】
醒来以后,(他的)医术大为流行,积累了丰厚的财富,活到了七十多岁。
【AI 1】目覚めた後、法程の医術は大いに評判となり、財を成し、七十歳を超えるまで長寿を全うしたという。
【AI 2】目が覚めると、法程の医術は非常に広まり、豊かな財産を築き、70歳を超えて長生きした。
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