2021年8月3日火曜日

解讀『醫家千字文註』040

 040 鵜鴣裹袋鸚鵡酌盃(灰韻・平) 18 十二ウラ

https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100253551/viewer/18

鵜鴣裹袋、鸚鵡酌盃。

(本草曰、鵜鴣大如蒼鵞頥下有皮袋、容二升物、展縮由袋中盛水以養魚、一名逃河、身是水沫、惟胷前有兩塊肉如拳、云昔為人、竊肉入河、化為此鳥、今猶有肉、 又曰、甲香出南海、海蠡之掩也、凡蠡之類、亦多、鸚鵡蠡、形似鸚鵡頭並堪酒盃者、)


  【訓み下し】

鵜鴣裹袋、鸚鵡酌盃。(鵜鴣(ペリカン)は袋を裹(まと)い、鸚鵡(オウム)は盃(さかずき)に酌(く)む。)

『本草』に曰わく、「鵜鴣、大いさ蒼鵞の如し。頥(あご)の下に皮の袋有り。二升の物を容れ、展(の)び縮みして由(な)お袋のごとし。中に水を盛りて以て魚を養う。一名は逃河。身は是れ水沫、惟だ胸の前に兩(ふた)つの塊肉 拳の如き有り。『昔 人の為に肉を竊(ぬす)んで河に入り、化して此の鳥と為る』と云う。今ま猶お肉有り」。

又た曰わく、「甲香は南海に出づ。海蠡(ほらがい)の掩(ふた)なり。凡そ蠡の類、亦た多し。鸚鵡蠡は、形 鸚鵡の頭に似たり。並びに酒の盃に堪ゆる者なり」。


  【注釋】

 ○鵜鴣:【鵜鶘】鳥綱鵜形目。體型較鵝大,色灰白帶紅,頜下有喉囊,可以存食,動作敏捷,是捕魚高手。也稱為「淘河」、「塘鵝」、「伽藍鳥」。ペリカン。 ○裹:纏繞、包紮。包羅、囊括。 ○袋:裝東西的器物。 ○鸚鵡:動物名。鳥綱鸚鵡目。體長約三十公分,嘴大而短,上嘴鉤曲覆下嘴,舌肥厚,善學人語。羽毛有白、紅、黃、綠等色。棲於熱帶森林或巖洞樹穴中。也稱為「能言鳥」。/ここでは以下の解説文にある「鸚鵡蠡」の略。 ○酌:斟酒、飲酒。 ○盃:一種盛酒、水、茶等液體的器皿。【盃酌】杯中的酒。指酒。

 ○本草曰:『證類本草』卷十九:「鵜鴣觜味鹹,平,無毒。……鳥大如蒼鵝。頥下有皮袋,容二升物,展縮由袋,中盛水以養魚。一名逃河。身是水沫,惟胷前有兩塊肉,如拳。云昔爲人竊肉入河,化爲此鳥。今猶有肉,因名逃河」。

★『本草綱目』は「爲人」を「有人」に作る。

 ○蒼:草色、深青色。頭髮斑白的。 ○鵞:動物名。鳥綱雁形目。似雁而較大,身白頸長,尾短,脚有蹼,善游泳,翼力弱,不能飛翔。 ○頥:【頤】指鼻子下面腮頰部分。 ○由:古同「猶」,猶如,好像。 ○水沫:水上泡沫。李時珍は「身是水沫之說,蓋妄談也」という。 ○胷:「胸」の異体字。 ○竊:「窃」の異体字。盜取、偷。 

 ★『本草綱目』卷四十七・禽部・鵜鶘。 

 ○又曰:『證類本草』卷二十二・甲香:「圖經曰:甲香,生南海,今嶺外、閩中近海州郡及明州皆有之。海蠡(音螺)之掩也。……凡蠡之類亦多,絕有大者。珠蠡瑩潔如珠,鸚鵡蠡形似鸚鵡頭,並堪酒盃者。梭尾蠡如梭狀,釋輩所吹者,皆不入藥,故不悉錄」。

 ○甲香:海螺介殼口圓片狀的蓋。可入藥,也可作合香原料。 ○南海:泛指南方海域。 ○海蠡:海螺。動物名。軟體動物門腹足綱腹足目。屬大型卷貝。生活於海中,以海膽、海星、貝類為食。其殼可做號角或手工藝品。巻き貝。ホラガイ。 ○掩:遮蔽。 ○蠡:ここでは瓢簞のヒサゴではなく、螺におなじ。 ○鸚鵡蠡:【鸚鵡螺】一種軟體動物,有殼的頭足類。介殼為螺旋狀,螺層尖處屈曲如鸚鵡嘴,故名,殼乳白色,有青綠斑,內有光,澤如真珠,大者受二升,可製為酒器。 

 ★『本草綱目』卷四十六・介部・海蠃(海螺)。


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