2025年9月26日金曜日

『歷代名醫蒙求』084-1

 逺遊詔用 弘景表辤  遠遊は詔されて用いられ 弘景は表して辭す (張遠遊・陶弘景) 

    張太素齊書張逺遊齊人以醫藥道術

    知名尋有詔徴令與術士同合九轉金丹

    丹成顯祖置之玉匣曰我貪人閒樂不能 

    飛上天待我臨死方可服之

    

    【訓み下し】084-1

    張太素『齊書』:張遠遊,齊の人。醫藥・道術を以て名を知らる。尋(つ)いで詔徵有り,術士と同(とも)に九轉金丹を合せしむ。丹成る。顯祖 之を玉匣に置きて曰わく,「我れ人間の樂を貪れば,飛んで天に上ること能わず。我が死に臨むを待って,方(まさ)に之を服す可し」。

    

  【注釋】084-1

 ○辤:「辞・辭」の異体字。 ○張太素齊書:067を参照。 ○逺:「遠」の異体字。 ○齊:國名。戰國七雄之一,故址在今大陸地區山東省北部、河北省東南部一帶。 ○醫藥:醫術與藥物。醫治,治療。 ○道術:道教的法術;方術。 ○知名:聲名很大,為人所知。 ○尋:不久、隨即。 ○詔徴:皇帝下令徵召。/徴:「徵」の異体字。 ○術士:法術之士。稱占卜星相和道士一類的人。 ○同合:使相一致。猶融會。 ○九轉金丹:太上老君煉制的仙丹。/晋の葛洪の『抱朴子』では,不老長生を得るには,金丹を服薬することが最も肝要であるとする。金丹の金はその火で焼いても土に埋めても不朽である点が重んじられ,丹の最高のものは九転の丹で,焼けば焼くほど,霊妙に変化する点が重んじられ,この九転の丹を服用すると3日で仙人になれると説く【世界大百科事典(旧版)】。 ○顯祖:文宣帝(ぶんせんてい)は、北朝北斉の初代皇帝。姓は高、諱は洋、字は子進、鮮卑名は侯尼干。廟号:顕祖。在位(550年~559年) ○玉匣:玉質或以玉為飾的盒子。古時多用來貯藏珍貴的物品。玉飾的匣子。亦指精美的匣子。 ○人閒:世間、塵世。世俗社會。/閒:「間」の異体字。 ○臨死:臨將死亡。垂死。臨終。 ○方:才、始。方才 [just;at the time when]。正、適。將 [will]。 ○服:吃(藥)。飲用或吞服藥物 [take]。

     ○『醫說』卷一・三皇歷代名醫・張遠遊:「張遠遊,齊人也。以醫藥道術知名,尋有詔徵,令與術士同合九轉金丹。丹成,顯祖置之玉匣,曰:貪人間樂,不能飛上天,待我臨死方可服(同上〔張太素『齊書』〕)」

     ○『北齊書』卷四十九 列傳第四十一 方伎/由吾道榮:又有張遠遊者,顯祖時令與諸術士合九轉金丹。及成,顯祖置之玉匣,云:「我貪世間作樂,不能即飛上天,待臨死時取服。」

     ○『北史』卷八十九 列傳第七十七 藝術上/由吾道榮:又有張遠遊者,文宣時,令與諸術士合九轉金丹。及成,帝置之玉匣云:「我貪人間作樂,不能飛上天,待臨死時取服。」

    

識典古籍*******************************************************

張太素齊書:張遠遊,齊人,以醫藥道術知名,尋有詔徵,令與術士同合九轉金丹。

    【AI譯文】

张太素的『齐书』记载:张远游,是齐地之人,凭借医药和道术而闻名。不久有诏书征召,让他和方术之士一同炼制九转金丹。

    【AI 1】張太素の『斉書』によると、張遠遊は斉の出身であり、医薬と道術によって名を馳せた。間もなく勅命によって召され、方術の士たちと共に九転金丹の錬成を命じられた。

    【AI 2】張太素の『斉書』によると、張遠遊(ちょう・えんゆう)は斉の地の人で、医薬と道術によって名を知られていた。間もなくして、詔(みことのり)によって召し出され、他の方術の士たちと共に「九転金丹(きゅうてんきんたん)」の錬成にあたった。

丹成,顯祖置之玉匣,曰:我貪人閒樂,不能飛上天,待我臨死,方可服之。

    【AI譯文】

丹药炼成后,显祖把它放在玉匣子里,说:“我贪恋人间的欢乐,不能飞升到天上,等我快要死的时候,才可以服用它。”

    【AI 1】丹薬が完成すると、顕祖はそれを玉の箱に収め、「私は人間界の楽しみに執着し、天へ飛昇することはできない。死が迫ったときにのみ、これを服用しよう」と述べたという。

    【AI 2】丹薬が完成すると、顕祖(けんそ)はそれを玉の箱に納めて言った。「私はこの世の楽しみを愛していて、天に昇ることはできない。だから、自分が死にそうになったときに、これを服用することにしよう。」    

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